【再生音楽の是非】生演奏がベストなのか?

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職場で、学校で、駅のホームで、私たちは孤独な群衆という集団の中に一人です。
そして一人で音楽を聴いている瞬間だけが私を孤独なままに、孤独ではない自由な精神へと解放してくれます。
そう、本を読んでいる時に感じる自由な色、自由な音、自由な広がり、自由な香り、の感覚が近いといえるかもしれません。
何故だろう、もちろん私は演奏会場でみんなで一緒に楽しく音楽を聴くのも大好きです。夏の苗場のFUJI ROCKで、一日中音楽が聞こえてくる空間が大好きです。
だけれども部屋でスピーカーあるいはヘッドフォンでたったひとりで聴く音楽はコンサート会場とは異なる価値があると感じるのです。決して生の音楽会の代替品ではない再生音楽。自分だけの自由の精神が解き放たれ、空を飛ぶのです。
令和時代では、再生音楽は手軽さと拡散力で価値を持ち、生演奏は体験と感動の深さで独自の価値を保っています。両者は異なる魅力を持ち、共存しながら音楽文化を支えています。

再生音楽の価値

同じ再生音楽でも昭和時代と令和時代で取り巻く環境がすでに違います。
かつては、お目当てのコンテンツに向けてFM放送であれTV放送であれ、聴取者が時間をやり繰りして放送局の都合に合わせてました。
あるいは、レコードやCDを購入しなければ、自分の聴きたいタイミングで楽しむことができません。
現代では、NetflixやSpotify、アップルミュージックでもアマゾンミュージックでも私たちの都合でコンテンツを楽しむことができます。中世の王侯貴族も及ばない音楽環境といえます。
また、再生音楽の強みとして、録音時(制作時)に加工ができるという点があります。
ポップスであれクラシックであれ、アーティストが満足するまで録り直しが可能です。私たちの手元に届くのは細部まで吟味された完成品です。

  • 手軽さとアクセス性:スマホ一つで世界中の音楽にアクセスできる。
  • 拡散力とバズ文化:TikTokなどで一部のフレーズが切り取られ、曲全体よりも「一瞬のノリ」が重視される傾向。
  • メッセージ性の希薄化:短時間での消費により、アーティストの意図や物語が伝わりづらくなっている。
  • ビジネスモデルの変化:CD販売からサブスク収益へ。再生回数が価値の指標となる。

生演奏の価値

  • 空間と響きのリアル:録音では再現できない、会場の響きや音の振動が感覚に訴える。
  • 演奏者との一体感:観客の存在が演奏に影響を与え、即興性や感情の交流が生まれる。
  • 一期一会の感動:同じ曲でも毎回異なる表現がなされ、唯一無二の体験となる。
  • 演奏科学の視点:観客の有無で演奏のニュアンスが変化することが科学的に示されている。

スタジオ録音とライブ録音